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波瑠は、とにかく落ち着こうとして言った。
「ミ、ミナミ、まずは、最初から話してよ。訳が、分かんない」
ミナミは、波瑠の言葉を聞いて、飲んでいたアイスティーから、顔を上げた。
「じゃあ、優馬との出会いから話すわね」
「お願いします!」
「あのね、、、」
今日は、ミナミの大好きなBL漫画の単行本の発売日だ。
ミナミは、県庁都市計画課の仕事も、そこそこに、退庁し本屋へ、走った。
ミナミは、漫画は、紙派だ。
電子書籍はどうも、読んだ気がしない。
そして、今日は、一番のファンである、BL漫画「オレがアイツを溺愛しまくってやるぜ!」の第13巻の発売日なのだ。
人気漫画過ぎて、即日完売本である。
息を切らせて、どうにか本屋に着いたミナミは、漫画コーナーに向かった。
あ、あった!
漫画コーナーに平積みされていたであろう、「オレがアイツを溺愛しまくってやるぜ!」第13巻は、もう、一冊しか残ってなかった。
でも、ミナミは、ホッとして、その本に手を伸ばした。
その瞬間。
長い手が、伸びてきて、本を取った。
「ええっ!」
ミナミは、思わず叫んで、その手の主を見た。
サングラスをかけた、異様にスタイルのいい若い男だった。
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