甘やかし方

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「面白い……」  なんてことだ。すでに美濃羽の中でのイチカは面白れぇ女枠として確立されているらしい。 「ねぇ、イチカちゃん……お金は良いからさ、しばらく体の関係続けない?」 (めっちゃ屑発言された……) 「イチカちゃんも昨日気持ち良かったでしょ? オレのちんこ咥えて喘いでたじゃん。処女なのに」 「言い方ぁ!!」  にこりと笑う彼は、女ならば誰もが見惚れそうなほどの優し気な微笑みをしているが言っている事は大分最低だった。だがしかし、言われている事は何も間違ってはいないし、本当に気持ち良かったから否定も出来ない。一人でする時よりも全然違っていた。無意識に唇に触れれば美濃羽が一瞬だけきょとんとした後、イチカの腕を取り代わりにかぶりついてくる。 「ふむっ!?」  べろりと下唇を舐めたかと思えば到底起き抜けの朝にするようなキスではない濃厚なものをぶちかましてくる。 「にゃっ、ふぁ……んくっ」  逃げられない様に腰を引き寄せられ、昨日さんざん嬲られた肉厚の舌に口腔内を犯されて、やめてほしいと美濃羽の胸を叩いてもグイグイとくるものだからどうにも出来ない。しまいには太ももの間に手を挟んできたため、思わず反射的に暴力的な方向で手を出ても怒られないだろう。 「いたっ! えー、チューしてほしいって意味じゃないの?」 「朝からそんな都合のいい事を考えない!! びっくりした!! と、兎に角!! お風呂に入るので!! お借りします!」 「ちぇー……あ、風呂場突きあたって右ね。お湯沸かしてるからあったまるんだよー」 (……母親か!)  ぺこりと頭を下げた後、風呂場に逃げ込むようにイチカは急ぎ足で入った。  やる事をやっておいて、事後はまるで母親のように世話を焼かれる事に複雑な気持ちを覚える。なんだか妙に情けなくもなりながらありがたくお風呂はいただくことにした。  それにしても、だ。あれはいったいどういう意味で言ったのだろうか。熱いお湯をシャワーで浴びながらほぅっと溜め息を吐く。 (ってか……腰いたい……体も重いし……)  どう好意的にとってもセフレになりませんかというお誘い以外何ものでもないだろう。要所要所の屑発言を除けば割と良い人ではないだろうかと思っているが、流石にセフレは遠慮願いたい。
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