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死んだ?
浮遊感が、あった。
と言っても、意識はなかった。ここに来るまで浮いていたのかわからないけど、目を覚ました時、確かにどこかを漂っていた感覚を覚えていた。
「・・・私、死んだ?」
覚えているのは、自転車。
田舎だから、近くに森もあるし野生動物もいる。
・・・そうだ、私、タヌキか何かにビビって自転車死に物狂いで漕いでた。
んで、ペダルの勢いに足がついていかなくなって足が滑って。
「え?それで死んだの?」
その後、どこかに突っ込んだ気がする。
・・・田んぼか?
「十中八九田んぼでしょ。他にあの辺り何があるの?・・・民家に突っ込んでないよね?」
農家さんにも申し訳ないけど、家に突っ込んでしまうのもそれはそれで申し訳ない。
田んぼで人が作業している確率と家の近くに人がいる確率、多分後者の方が高いよね。
「・・・しょうがない!」
切り替えるのは得意な方だ。
今考えたって、実際の状況はわからないし変わらない。
とりあえず、辺りを見回した。
・・・天国のはずなのに、人がいない?
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