小さな魂

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「ああ、お話終わった?」  色々言いたいことはあるけど・・・ハヤエはお仕事中みたいだから我慢我慢。 「実際に見せた方が早いと思って連れて来たんだ」 「まあ、それもそうね。ミセも覗いてみる?」  うん・・・落ちないように気をつけないと。 〈あ、一緒に見る?〉  池を囲っていた魂が少し詰めて、私のスペースを作ってくれた。  優しい・・・  しゃがんで覗いてみると、何人かの人が見えた。みんな大人で、女性が多い気がする。 「これは?」  この魂たちの、元の姿・・・ってことはないか。まっさらにした意味が無いよね。 「この子たちはね、自分の父と母を探しているの」  ・・・探しているの?  生まれ変わりって、そんな自由に選択できるものなの? 「この子たちは、死んでからここに来るまでが本当に短い、生まれてさえ来なかった子たちよ」  ああ・・・そっか。みんながみんな、十歳、二十歳、五十六十七十・・・って生きられるわけじゃ無いもんね。   生まれて来なかった子たちは、魂の「形」が殆ど無いから、すぐに天国に来るんだ。  
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