死んだ?

3/3
前へ
/7ページ
次へ
 まずいまずいまずい。   後ろ向きで、さらに地面が雲とかいうファンタジックなものだから、私の足はなかなか進まない。  いや、私が遅いのもあるけど、あの人(?)早くない⁉︎  人影は姿をしっかり認識できないうちに、いつの間にか私の目の前まで来ていた。  そして、私の腕を掴む。  諦めのいい私。諦めの良さって、こういう時、自分を楽にしてくれるよね。  覚悟を決めるどころか、私はされるがままになろうとしていた。 「ちょっと、後ろ向きに歩いていると危ないわよ」  ・・・?  閉じかけていた目をもう一度開けると、少し視界が晴れて、女の人の顔が見えた。薄い、緑色の髪で、何色も混じり合ったような瞳をしている。 「・・・どちらの惑星の方デスカ」 「は?ワクセイ?」  怪訝そうな顔さえ美しい・・・  じゃなくて。 「あ、それはどうでもいいわ」  あ、貴方もそう思いますか。 「貴方、名前は?」 「ここは天国ですか?」    ほぼ同時に喋った。 「いや、名前じゃないか。もっと重要なのは、貴方、なんで姿があるの?」  姿があるの??  私が困惑していると、女の人は頭に手を当てた。 「ああ、ここの記憶、ほぼみんな持ってないのよねー。普段魂とそんな話しないからすっかり忘れてたわ。ええと、どこから話すべきかしら。そうね、まずは───貴方、手違いでここに来たのね」  ・・・ん?    
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加