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「天の管理人でも、戻り方はわからないの?」
「私たちは普段、魂の相手しかしないから。あとは、たまに天の国を見に来る神かしら」
神⁉︎そっか、いるのか、神様。
「前に見かけた人間は沈んで行ったわね。現世は下にあるから当然だけど」
「じゃあ、私も沈んでいくの?」
「ええ。時が来たらね。待つしかないわ」
「墓に入るために沈んでいくとかじゃなくて?」
「人間は想像力豊かねー。だから神がいるわけだけど」
「墓に入らないよね??」
その辺りの答えを早く!!
「入らないわよ。手違いで来るのは、まだ生きる人間だけ。もう死んでしまう人間は、残りの時間はずっと現世に居れるように、神が気を遣っているわ」
そうなんだ。
「状況は理解できた?」
「うん、大体はね」
「なら、名前を教えて?」
「山添見世」
「そう、ミセ、ね。私はハヤエ。天の国へようこそ、ミセ」
一番ようこそされたくない場所にきた気がする。
まあ、いずれそうなるものなんだけどさ。人間だもの。
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