友達が大好きだった私の幸せ

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友達が大好きだった私の幸せ

 「はい、では岡山県がどこにあるか探してください。」 そう先生が言った時、私たちは別のことをしていた。 『死んで』 『いいよ?』 『え?』 『その代わり君も』 『あの、サイコパス?』 『え〜ちがうw』 「うそ〜w』 「死んで」なんて後から思うとなぜそんな言葉を使っていたのかわからない。 けど社会の時間が嫌すぎて碧依と私は要らない紙でそんな会話をしていた。 え、そういや先生、なんて言ってたけ?山口県?まぁいいや。そう思っていたら、先生と目があってしまった。あ、終わったわ。 先生が近づいてきて、紙を見ながら言った。 「それを見せなさい。」 はい、人生終了w社会はめんどくさいしさ〜と心の中でぼやく私。 「はい」 と私は紙を先生に渡した。渡しただけ偉い方じゃない? あーそういや死んでって結構大きく書いたっけ?やべw これ、私だけ詰むやつじゃない?まぁいいや、どうでも。 「死んでなんて書いたのはどっち?」 しょうがないよね。まぁ別に先生からの評価なんてどうでもいいんだし。 「はい」 そして先生はに言った。 「しょうもない」 もう先生からの評価はとっくの前に下がってんだし、どうでもいい。どうでもいいんだ。速く、速く、この苦しみを消して、、、!つらい、つらいつらい、つらい!!人に愛されない私はいつもこうだ。誰かに見放されそうになった時、見放された時、騙された時、裏切られた時、呼吸ができなくなる。笑え!笑え!笑え!そうじゃないと、バレる。みんなに、周りの人に、大丈夫。 いつもやってきたじゃんか。できるから。もうこれは私を言い聞かせるおまじないのようなもの。笑えば解決できるんだ。笑えば。 大丈夫、そう言い聞かせ、私は口を開いた。 「なぁ、西〜どこ調べるんだっけ?w」 「自分で考えろ」 「え〜いいじゃん。教えてよ」 「無理」 「お、ね、が、い」 「岡山」 めんどくさくなったのか、そう言った。おー優しい〜流石に西(棒) 「ありがとね、!」 「ん」 岡山かぁ、確か修学旅行行くんだっけ?楽しいのか、な。  一通り授業が終わったので私はあいつの元へ行く。そう大好きな人。 この人がいるから生きてける。もう、ずっと好きだ。 「永倉、!」 「ん?」 寝てたのかわからないけど、寝起きみたいで超可愛い。 あーおんなじ班が良かったなぁ。先生空気読んでよ、!まぁいっか。こいつの隣にいるだけで幸せなんだから。 「また寝てたん?」 「俺は休み時間。お前の場合、授業中に寝てるだろ」 「あははw〜」 「あはは、じゃねぇわ。もっと真面目に」 「うちの辞書に真面目なんて言葉は存在しませーん」 こいつ、永倉 蒼雅は頭がよく、運動もでき、顔もいい。顔がいいから惚れたわけじゃないけど!あぁ、楽しいなぁ。一生学校に居ときたいや。 家に居たって、楽しいことなんてないし。 「そういやさ、猛者んとこの親、授業参観来るん?」 猛者とは私のこと。昼寝しすぎて昼寝の猛者なんて名前をつけられてしまった。そんなことより、私の家族が来るわけないじゃん?まぁ、永倉だから許すけど。 「私んとこは来ないよ〜」 明るめにできるだけバレないように 「ふーん、仕事とか?」 「ずるいだろ〜寝てても大丈夫なんだよw」 「勉強しろよ、」 「苦手だから。やだ」 「あーチャイム鳴るぞ?」 「え?やばっバイバイ!」 「おー」 慌てて席に戻った私は授業を受ける。まぁ寝てるんですけどね笑  今日も授業が終わって家に帰る。 誰もいない帰り道。 一人。一人。帰りたくないなぁ、時が止まってずっとあいつのこと見れたら、喋れたらいいのに。家につき、ドアを開ける。いつもと変わらない。きっと家の中もそう。 ガチャ、 ドアを開けた数秒後、 ガシャン!、 と音を立てた。どうせ母親の彼氏が今日も家の中にいるんだろう。 家のお金を奪いにくるだけの母親の彼氏。さっさと別れたらいいのに。 私の幸せを壊すもの。優しかったお父さんもあんたが浮気したせいで別れたんだろ?もういい加減にしろよ。でも、瑞季が幸せに暮らしているのならそれでいいか。もう、私のことなんて覚えてないんだろうけど。 悲鳴と怒号の繰り返し。いつものように無視して自室へ行く。 お母さんの彼氏の機嫌が悪い時は私にも暴力を振る。もちろん顔は殴ったりしないけどね。どうせ見つかったらめんどくさいからでしょ。もう知ってるよ。 そんなこと。 今日も一日を終え、次の日学校へ行く。その繰り返し。友達以外なにも信用なんてしないから。私には友達さえいればいい。好きな人さえいればいい。 家以外の私は幸せ者だ。 「その怪我、どうしたん?」 「ん?あぁ、転けたw」 隠せばいい。都合の悪いことなんて。幸せならなんでもいい。 私は友達がこの世界で一番大好きだ。
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