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真実を知った私と友達の崩壊
「はぁ、今日から中学生かぁ、やだなぁ。」
中学校の入学式は雨の日だった。雨の日は嫌いだ。いつも嫌なことが起こる。
とてつもなく私にとって嫌なこと。徒歩15分くらいで学校につき、下駄箱でクラス分けの表をもらう。まず最初に永倉の教室を確認しようと目を通す。
あぁ、やっぱり。だから雨の日は嫌いなんだ。私は1−1、あいつは1−4だ。
明らかに遠い。永倉と私は毎日話していたがそれは出席番号が近くてたまたま仲良くなっただけ。つまり4組に行く理由は一つもない。あぁ、4組に知り合いいないかな。えっと、あっ!碧依がいるじゃん。ってことは碧依と話すふりをして永倉を見れる、ということになる。あぁ最高だ。
そう思いながら自分の指定された席に行く。あぁ、また22番か。
1−1の22番なんて覚えやすい数字だろうか。後ろを見ると知らない人。隣を見ても知らない人。前も横も苦手な人。孤立状態だ。あーめんどくさい。
早く終わらないかな。このクラスで仲がまぁいい人は、、、夢果と萌か。
まぁいいか。二人もいるんだし?適当に話を受け流し一日を終わらせばいい。
先生の話も耳に入っていない。ずっと西や碧依、永倉のことだけが頭の中を支配する。あー早く4組に行けないかな。普通の学校生活が早く来いと願ってるばかりだった。
「ことちゃん。」
「うわ、沙良。」
私は違う小学校の子と仲良くなって学校生活に馴染んできている。だけど一つ気がかりなのが4組に行く理由がなくなったこと。友達ができないからという理由で4組へ行けたけど、今は友達がいるからいけない。けど、まぁ楽しい。「どーした?」
「んーん」
どーしたなんて言いながら私のほっぺを触ってくる。ことちゃん曰く、私のほっぺの触り心地は最高らしい。ちょっとこしょばい。っていうのは内緒。
あと桃っていう友達もできた。桃とは意気投合してほぼ考えてることが一緒。
でも桃は少し面倒である。何故なら
「うちのことちゃんに触れんな!」
とことちゃんを奪ってくるからである。ことちゃんに惚れた(友達として)桃はことちゃんのことが好きすぎてやばい。笑
そしてそんな私も桃に依存していた。
ある日、桃は内都という人と付き合った。その人は私と同じ小学校だけど同じクラスになったことがなく、面識があまりない。桃をきっかけに私たちは仲良くなった。まぁ桃のこと独占してるから嫉妬はしてるんですけどね。
私は内都と夜に通話したりなどした。あ、もちろん桃がいる前で。
【そういや内都って私の好きな人知ってんの〜?】
【ん?あぁ、桃から聞いた。永倉だろ?】
おい、桃なにバラしてくれてんだだよw桃だから許すけど。
【ちょうどいいや。内都ってさ、永倉の好きな人知ってる?】
【え、お前、好きな人って・・・】
何か声色が変わった。嫌な予感がする。そういえば今日は雨だった。
不吉だ
【俺は知ってるけど本当に聞くんだな?】
【うん。】
【後悔しても知らねぇぞ?】
【うん。】
きっと私じゃないんだろうな。わかってたことだけど。
【あいつの好きな人はーーーー】
【えっ・・・】
【しかもあいつらは付き合ってる】
【ごめ、ちょっと気分悪い。切るね。】
【お、おぅ】
永倉の好きな人はあの子。永倉の恋人もあの子。私はあの子が好きだ。
いや、好きだった。裏切られた。元々私のことは友達じゃなかった?
永倉との恋を応援してくれた。あれは本心じゃなかった?
「はっはぁっ、」
過呼吸になりそうだ。つらいつらいつらい。私は・・・
あの子と友達じゃなかった?裏切った?元から?わからない。わからない。わからない。わからない。ねぇ教えてよ。碧依・・・!
「ふっ」
なぜか笑が溢れた。自分に対する自嘲だろう。あはははっもういいや。死んじゃいたい。私の味方はいなかった。苦しい苦しいクルシイクルシイ?
あぁ、死ねばいいんじゃんか。でもそんな勇気は私にはない。
私はこのとき初めて友達のことで泣いたのだった。
たまたまトイレに向かう途中移動教室の碧依に会った。あぁ、顔なんて見れそうにないや。どうしよう。いつも通りの私でいられない。いつも通りって繕ってるだけだったな。もうどうでもいい。消えたい。この場から消させて。
私の存在を。
「沙良?大丈夫?体調悪そうだけど」
碧依が話しかけてきた。なんて答えよう。お前のせいだ。なんて言えるわけがない。口を開けばきっと私は出てしまう。本音でもはないものが。
口を開けば・・・
「永倉と付き合ってたんだね。知らなかった。おめでとう。」
そうやって笑った。つもり。でもきっと私の笑顔は今きっとものすごく歪んでいる。自分でもそうわかる。ここはもうさよならするしかないじゃん・・・?
「バイバイ。碧依。」
私はもう友達を辞めるという感じの言い方でそういった。
そして私たちは喋ることがなくなった。きっと、この先もずっと。
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