おっぱいと生理◆第二話

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おっぱいと生理◆第二話

中学一年生の夏頃までは、体育の授業も好きだった。 長距離のマラソンも好きで、ハードルは特に得意で良いタイムをとっていた。 プールの授業もちゃんと受けていた。 身も心も軽かったから、何も気にせずに過ごせていた。 けれども、生理が来てからは、憂鬱だった。 特に、生理と体育の日が被った日なんて憂鬱の憂鬱だった。 しかも、そういう時に限って、マラソンのタイムを計る日だったり、ハードルの授業だったりする。 二日目だったりすると、動いた瞬間に血が漏れているんじゃないかとか、ナプキンの音が聞こえているんじゃないかとか、生理で憂鬱なのに、他にも気にすることがあってドーンと暗くなることがある。 女は、『生理が来て大人へと一歩近づいていく。』 とか言うけれど、ワタシは、好きで女になった訳でも、女性らしい体つきになりたくてなった訳でも無い! 生理なんて、『立派な女性なんだよ。』って言われているような気がして、気持ち悪いんだ。 けれど、 『生理が来て嫌。』 『気持ち悪い。』 なんて、誰にも言えなかった。 大人になるまで。 友達にも、親にも。 生理で憂鬱なのに、体育の授業もあって、最高潮にブルーな気持ちでいた時に、隣のクラスの友達に言われたことがあったの。 『rinna、なんか性格変わった?』って。 その瞬間、イラッとしてしまったんだ。 アナタに振り回されているのはワタシなの。 アナタのワガママに付き合っていたのもワタシ。 アナタだって、自分の気分によって、愚痴ばかりだったり、いきなりテンション上がって話しまくったり、アナタが好きな人の話を聞かされたりして、それでも一緒にいたのはワタシなの。 アナタの都合で、『今から遊ぼう。』っていきなり電話が来て、ワタシの都合が悪いのに、『今日はごめんね。行けないんだ。』って言ったら、『何で?』って言ってきて、ずっと、『なんで?なんで?』ばかりで、うんざりして『ごめん。無理。』って言ったら、また、『なんで?』って言ってきたから、『その映画、興味無い。』ってキッパリ言ったら、『あっそ。』って言われて、ブチって電話切られたことがあった。 おっと、その人の事を思い出したらイライラして、愚痴になってしまったわ。 そんなことがあっても、その時は次の日学校で、その人に謝ったんだよな。 でもね、その人の嫌な部分が多すぎて、もう友達ではないのだけれどね。 例えば、中学生といえば、手紙の交換が流行っていて、手紙を交換するようになったのだけれど、ワタシの手紙が、その子の家のリビングの床に、無造作に開いて置いてあったの。 その光景を見たら、なんかひどい人だなって思っちゃって。 それと、その子が好きな人とワタシ、付き合ってたんだよね。 でも、あまりにも嬉しそうに好きな人の話をするから、言えなかった。 中学生って、一番多感な時期でしょう。 体の変化にも敏感になって、人付き合いもより一層大変になって、でもね、その空間で生きなきゃいけなかったのよ。
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