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彼は魔術師だ。大概のことを魔術で解決出来てしまう。
「どうしたの? そんなに泣いちゃって。俺に会いたかった?」
言われて気づく。どうやら私は泣いていたらしい。
「ええ、会いたかったわよ、私なんかに大技を何度も使う馬鹿な魔術師に!」
私はユーリーの腕の中で振り向くと同時に、彼の唇へと口付けた。
ユーリーからされた時と同じように、私も一瞬だけ触れ合わせて直ぐに離れる。
見上げたユーリーは、薄紫の瞳を驚きで見開いていた。
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