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「天音ほいっぷ?」
「そぉ。可愛いでしょ〜」
音楽関係の仕事に就く蘭さんが用意した身体は人気絵師にキャラクターデザインしてもらったものをこれまた人気の3Dモデラーに作ってもらったものだ。
スカイブルーとオフホワイトがテーマカラー、天使とホイップクリームでデザインされたキュートな身体。
「くれぐれもいつもの喋り方はやめてね。これ、台本。声はこの子に似合うようちゃんと作って」
「あ、ああああ。天音ほいっぷでーす!」
「合格」
こうして私は天音ほいっぷという二次元の身体を手に入れた。
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ママが苦手だった。
勉強しなさい、とか言うこと聞きなさい、とかそんなことしか言わないママ。
パパは無関心。
いつも身の丈に合わない仕事でアップアップで私になんか構やしない。
私は反抗心のためにマイクを握ったのだ。
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