君の好きな人は、私の友だち。……だったはず。

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「おっ、LINE来てた。」 「ま?室井くんなんて?」 隣の席の和田智也(わだともや)。 なんと家も隣。所謂、幼馴染だ。 私、この和田を利用して和田の友だち室井拓真(むろいたくま)くんと恋人になりたいと思っている。 室井拓真くんは、めちゃくちゃイケメン。外見第一主義の私は、初めて室井拓真くんを見た日から大ファンになった。 「室井オッケーだって。杉野(すぎの)。」 「えっ。ほんと!?茉莉花(まりか)もオッケーだって。」 古内茉莉花(ふるうちまりか)は、同じ部活で友だちになった隣のクラスの友だち。和田は茉莉花が好きだ。茉莉花は少しおっとりしてる。女の子らしい女の子だが、活発な面も併せ持っている。所謂、ギャップ萌えの使い手だ。 「じゃ、あとLINEちょうだい。じゃな。」 「うん。ありがと。」 4人で遊びに行くのは3回目。 和田はそろそろ茉莉花に告ろうとしてるっぽい。 私もそろそろ室井拓真くんのファンから一歩先に進みたいのだ。 遊びに行くのは決まってスポーツアクティビティ施設。 4人とも運動神経が良くて、初めて遊びに行ってからハマった。しかも安いし。しかもカラオケもあるし。カラオケのピザも美味しいし。高校生の私たちにちょうどいい。 ただ困っているのが、始めは4人で遊んでいても中盤から室井拓真くんと茉莉花、私と和田のペアになってしまうこと。 今度はそうならないようにって2人で固く誓うのに。
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