君の好きな人は、私の友だち。……だったはず。

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結奈(ゆな)どした?」 茉莉花と2人でお昼を食べることにした。 室井拓真くんへの私の想いを差し置いて、茉莉花とは疎遠になるのは嫌だった。 でも、話がはずまなくて、黙ったままだったから心配させた。室井拓真くんと茉莉花のことならもちろん気になるけど、踏み込んだことを聞くのも悪いし。 ただなんだろう、変な嫉妬心がなくて。2人が付き合っていることにほっとしているのも事実。 「ね、ね、ね。」 「え?」 「和田くんとうまくやってる?」 「は?」 「結奈って和田くんと付き合ってるよね?」 「え、え?」 茉莉花が言い出したことに頭が追いつかない。 「4人で遊んでた時も、気がついたら結奈は和田くんとペアになってたから。」 「それは」 “茉莉花と室井くんがペアになってたからだよ”って言いかけてやめた。 「拓真が2人お似合いだねって。」 …拓真…。そっか。茉莉花はやっぱり室井拓真くんの彼女だ。 てか、和田と私が付き合ってるってどんな勘違い? 「違うよ、和田は。友だちだよー。」 「えー。めっちゃいい感じなのにー。」 「違う違う。もう、全然ちゃいまんがな。」 「っ!まんがな!?あはは。」 「ははは。」 茉莉花と話していると、笑っていても少しだけ何か心が痛いような気持ちになっていく自分に気がついてしまった。 和田をこんな風にいう自分が最低だと思う。
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