君の好きな人は、私の友だち。……だったはず。

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「恋してみたいだけだったら、やめとこうと思ってた。結奈は大事だから。」 和田が私の両肩に手を置いた。 「智也?」 「室井のこと…まだ好き?もう好きじゃない?」 「智也こそ。茉莉花のこ…」 「最初から好きじゃない。」 「ちょ、それはひどい。私が何のために…」 茉莉花と和田を引き合わせようとしていたのかわからないじゃないか……。 「結奈は?室井のことどうなの?」 私が今好きなのは、いつも隣にいる。ライブで大はしゃぎする。時々鼻歌を歌う…… 「室井くんのことはもう大丈夫。」 和田智也。 そう気づいてしまった。ライブ中盤、バラードで泣いている和田の横で。 “隣にいる君が好きだって素直に言えなくて  届かない人に恋してるフリして   何度も君に恋の相談をしてみた  ほんとは君がずっと好き 昔からずっと” 和田が泣いていたバラード“曇り止め”。 「結奈、ぜったい離さない。」 「いいよ。このままでいよう。」
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