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獣人の国
さて、私を乗せた馬車は、無事に獣人族の国へと入国を果たした。そしてここは嫁ぎ先のアロニア公爵家。アロニア公爵家では、夫人と見られる小麦色にルビーの瞳の女性、そして同じ小麦色の髪にルビーの瞳の美少年が待っていた。2人ともキツネ耳しっぽで、耳の先っぽがチョコレートブラウン、しっぽの先っぽが白くなっている。
更に2人の腕の中にはそれぞれひとりずつ、とってもかわいらしい双子ちゃんが抱っこされていたのだ。
まず夫人が抱っこしているのが、小麦色にルビーの瞳のキツネ耳しっぽの男の子。お耳の先っぽとしっぽの先っぽは夫人や美少年と同じ。美少年が抱っこしているのは、小麦色の髪に銀色の瞳、そして頭にくま耳のついた女の子。多分後ろには、ふわふわくまちゃんしっぽがあると見た!!
さて、私を出迎えてくれたかわいいちびっ子たちは一体……?まずは自己紹介である。
「ローズ公爵家から嫁いでまいりましたビアンカと申します」
淑女の礼を優雅にこなせば、夫人が自分たちのことを順番に紹介してくれた。
「まず私はアロニア公爵夫人のラナ。気軽にお義母さまと呼んでね」
わぁ、やっぱりこの方が公爵夫人!優しそうなひとで良かったぁ。
「続いてとなりが次男のアル。14歳よ」
私が嫁ぐのは確か長男のはず。私の旦那さまは出迎えなしか。ちょっと残念。どんなもふもふなのか……じゃない、お方なのか早く知りたかったのだが。
はっ!?まさか、これは冷遇ルートとかじゃないわよね!?仮にそうだったとしてもお義母さまと義弟は優しそうだから、やっていけるよね!?それに……。
「このふたりは、三男のリタ、長女のリコ。ふたりとも4歳で、双子なの」
ぎゃふぅっ!!やっぱりその腕の中のかわいらしい子たちは双子ちゃん!こんなかわいい双子ちゃんの義弟と義妹がいるなら私、どんなことがあってもがんばれそう!!
ぐほっ。早速抱っこしたくなってきた。あぁ、いけないいけない。そんなしょっぱなから。
「リコ、お姉ちゃんに抱っこしてもらう?」
ぎゃふっ、アルくんったら、いきなりお姉ちゃんだなんて嬉しすぎ。鼻血出そう。
「うん!」
そして頬を赤らめながら、まんまるお目目をキラキラさせながら頷いてくれるリコちゃんっ!きゃああぁぁぁぁっっ!かっわゆすぎいいぃぃぃ――――っっ!!!
お言葉に甘えてアルくんの腕からリコちゃんを受け取り抱っこすれば、幼児独特のほんわかあったかいこの体温!かわいすぎるその見上げる視線!くま耳!そして予想通りお尻から生えたふわもこまんまるくまちゃんしっぽ!何から何まで最高すぎるわリコちゃあああぁぁぁんっっ!!
「リコちゃんかわいいねぇ」
思わずなでなで。
「おねーたん!」
ぐほぁっ!!
その『おねーたん!』の破壊力半端ないわああぁぁぁぁっっ!
「気に入ってくれた?」
お義母さまがにこにこしながら問うて来れば、
「はい、もちろんです!!」
即答する私に、『まぁっ』と歓声をあげてくれる。いやぁ、そこまで喜ばれるだなんて、すごく嬉しい。例え未来の旦那に冷たくされても、私何とかやっていけそう。
「リ~コちゃ~んっ!ふふふ~♪」
私、きっと1日中だってリコちゃんをなでなでできる。
「ビアンカちゃんは、くま獣人はどうかしら?」
お義母さまがドキドキしながら問うてくる。
「はい!最っ高ですね!」
リコちゃんかわいすぎるよおおぉぉぉっっ!ふえええぇぇぇんっっ!!
「よかったらしっぽを撫でてあげて?喜ぶから」
「は、はい!」
いきなりしっぽふわもふ許可までいただいたぁ――――っ!では、遠慮なく。
ぽふり
そっと触れてみれば。
うおおおおぉおぉおぉ――――いぃぃっっ!!なんじゃぁこの至極のふわもふはああぁぁぁぁっっ!まるで赤ちゃんのほっぺをふにふにした時の感動のようなこの至極のふわもふ心地!素晴らしすぎる!
「ねちゃ、なでなで~~」
きゃああぁぁぁぁっっ!!しかもリコちゃんがめっちゃ和んでる~~っ!
お姉ちゃん、感動で泣きそう。
「アル、お出迎え作戦、大成功ねっ!」
そう、お義母さまがアルくんにきゃはっと笑いかけていた。アルくんの腕の中のリタくんはきょとんとしているけど、それはそれでかわいすぎる。はっ!!ま、まさか、私のためにこんな素晴らしいお出迎えを!?うわあああぁぁぁぁんっっ!超感動したぁ―――っ!!!
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