私と亮

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(え……?)  けれど上半身を脱がされ、肩から胸に掛けて空気を感じてハッと我に返る。  気が付けば私はブラジャーを剥き出しにされ、スカートを大きく捲られて脚を開かれていた。 (こ、これって、セックスの体勢じゃない!)  かなりまずい状況にあると理解した私は、ようやく両手を突っ張らせて亮の胸板を押し返した。 『待って! ここまでしていいなんて言ってない! お母さんたちに見られたらヤバイから、もうやめて!』  そう言って起き上がり、服を着ようとしたけれど、亮に押さえつけられてしまう。 『親父は酒を飲み始めたら長いから、閉店まで戻らないと思うよ。久しぶりに子供を気にせず外で飲めるから、美佐恵(みさえ)さんと楽しく過ごしてるだろ』  いつもは母を〝母さん〟と呼んでいるのに、こんな時だけ名前で呼ぶ亮に、嫌悪とも怒りともつかない感情を抱く。 『やめてよ! 離して!』 『ここ、こんなにしてるのに?』 『…………っ!』  亮に下着のクロッチをグッと押され、私はまた固まってしまった。  そのまま布越しに秘部を擦られ、クチュクチュと粘ついた音が立つのを聞き、私は真っ赤になった。  弟にキスをされて濡らしたなんて、ショック以外の何ものでもない。 (なんで……こんな……)  私は混乱しきり、泣き出しそうな顔で継弟を見た。  けれど亮は私の知らない顔――色気のある男の顔で妖艶に笑い、私の腰を持ち上げると下着をスルリと脱がしてきた。 『まっ……、待って……!』  ――このままじゃ犯される!  怯えていると、亮は『大丈夫』と囁いてキスをしてきた。  弟に襲われて怯えているのに、不本意にもその弟のキスで慰められる。 『今日は最後までしない』 『で、でも……』  混乱した私は、『今日は』という言葉を深読みする事もできず、無力にも涙を流す。 『オナニーした事ある?』  恥ずかしい質問をされ、私はとっさに首を横に振った。  本当はあるけど、こんな状態で『してる』なんて言えない。 『大学生なら、ほとんどの人がしてるんじゃないかな』 『し……っ、知らない! そんな話しないもん』  なんとか言い逃れしようとしたけれど、亮はニヤリと笑ってさらに迫ってくる。 『してないなら、俺がやってあげる』 『え……?』  予想外の事を言われ、私は軽く混乱する。 『やり方を知らないんだろ? だから教えてやるよ。気持ちいい事を知れば、こういう事に抵抗がなくなるだろ? 夕貴はおカタすぎるんだよ』  気がつけば呼び捨てにされていたけれど、指摘している余裕はない。  亮はまた私にキスをし、下着越しに淫芽を優しく転がしてきた。 『ン……っ、あ、……あぁ……』  知らないうちに体の奥で燻っていた疼きを刺激され、私は情けない声を漏らす。  両手で口を押さえようとすると『だめ』と遮られ、ブラジャーをずらされて胸を曝け出される。 『やっぱり胸デカいな。何カップあるの?』  亮はまた恥ずかしい質問をし、下着の上から肉芽をカリカリと引っ掻く。  自分で触るのと誰かにされるのとでは大きな差があり、気がつけば私は亮から与えられる快楽に目をトロンとさせていた。 『ん……っ、ん、……え、F……』 『すっげ、エロい』  亮は囁くように言い、私の乳首にキスをしてきた。 『あぁ……』  そんなところにキスされた事のない私は、まるで胸を食べられそうな感覚に陥り、僅かに怯えながらも甘ったるい声を上げる。 『大丈夫、痛くないよ』  亮は私の恐れを見透かしたように言って、まだ柔らかい乳首を優しく舐めてきた。 『あ……っ、ぁ……』  亮にぺろり、ぺろりと乳首を舐められ、全身に甘い痺れが走っていく。 『や……。やだ……。亮……っ』 『気持ち良くない?』  亮は胸元に顔を埋めたまま、上目遣いに尋ねてきた。
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