第二話 お飾りの妻

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 ちなみに私は英会話教室で講師をしていたが、結婚を機に退職した。  流石に極道の妻になります、とは言えなかった。 「え……つまり、私ってただのニート……?」  それはショックかもしれない……。  和仁さんから「何かあれば、これを好きに使ってくれ」ってブラックカードを渡されたけど、流石に使う気にはなれないし。  和仁さんとは当然のように寝室は別。いつも組の仕事で忙しそうにしているし、ほとんど顔を合わせることがない。 「……私、何のためにこの家に来たのかしら」  わかってる、これは形だけの結婚だから。  和仁さんは私に何も望んでいない。私はただのお飾りの妻だ。  いや、落ち込んでる場合じゃないわ、ジェシカ。これは私が決めた道なんだもの!  私には私のできることを探せばいいだけ。そう気持ちを引き締め直した。 * * *  翌日、私は屋敷の中にある広々とした庭にいた。  テニスコートくらいの広さはある庭なのに、何も植えられていないどころか雑草だらけなことが気になった。 「姐さん?」 「何してるんですかい?」  千原さんと笹部さんが通りかかって尋ねた。
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