第十一話 桜の邂逅(後) side.和仁

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* * * 「これは一体どういうことだ……? 和仁」  だが、俺と美桜が出会って二年の月日が経った頃、ついに父に俺と美桜の関係がバレた。 「…………」  黙っていると、顔面を思いきり殴られる。  血を吐き、気絶しそうになるくらいだった。 「よりにもよって染井一家の娘と通じるなど……お前は次期組長としての自覚がないのか!?」 「っ、俺は……」 「黙れ!! この恥知らずがっ!」  もう一発殴られ、そのまま拷問部屋に放り込まれた。  意識が朦朧とする中、冷たい部屋の中で電話が鳴り響く。  美桜からだった。 「……美桜か?」 《和くんっ!!》  電話越しでもわかる、美桜は涙声で震えていた。 《ごめん、お父さんにもお姉ちゃんにもバレちゃった……》 「そうか」 《ごめんなさい……私が写真を見られちゃったから》 「美桜は悪くない」  きっといずれはこうなるのだろうと思っていた。 《そんなに、ダメかな……?》  悲しそうな美桜の声が胸に突き刺さる。 《なんで一緒にいちゃいけないのかな……ただ和くんのことが好きなだけなのに》 「美桜……」  敵対する家に生まれた者同士というだけで、引き裂かれる。  俺は一生決められた人生を歩むことしかできないのか。  父の言いなりになって生きるしかないのか。  俺が極道なんかに生まれていなければ、美桜とずっと一緒にいられたのだろうか――。
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