第十一話 桜の邂逅(後) side.和仁

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 美桜の通夜と葬儀はしめやかに行われた。  穏やかに微笑む美桜の遺影を前に参列している組員たち、美桜の友人たちは皆悲しみ、涙を流している。  まだたったの十八歳だった。  葬儀が執り行われる中、俺は葬儀場の外で写真を眺めていた。  俺は染井から通夜も葬儀の参列も拒否された。墓の場所も教えられず、永遠に美桜を弔うことは許されない。  俺の卒業式の時に撮った唯一の二人での写真。  俺があんなことを言わなければ、美桜は死なずに済んだ。  今頃無事に高校を卒業できていたかもしれない。  友人たちと今も楽しそうに笑っていたのかもしれない。 “人殺し!!”  泣きながら人殺しと俺を罵る美咲の言葉が頭から離れない。  外からでも美咲の泣き声は聞こえていた。  何度も何度も愛する妹の名前を叫び、悲しみに打ちひしがれていた。  あんなに堂々としていた彼女は、やつれて痩せ細って見えた。  せめて迎えに行けばよかった。俺のせいで……本当に俺が美桜を殺したようなものだ。  ポタリと写真に雫が落ちる。 「うっ、美桜……っ」  しゃがみ込んで一人涙を流し続ける。  悔やんでも悔やんでも悔やみ切れない。  どんなに望んでも美桜には二度と会えない。  もう二度と――。
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