第十一話 桜の邂逅(後) side.和仁

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 満咲は桜花と染井を管理する立場にあるし、信士はいつも冗談めいた口調で二組が協力し合えばと口にしていた。  あれは結構本気だったらしく、自分が何もできなかったことをずっと悔やんでいたらしい。 「和仁、俺は絶対に警視総監になる。どんな犯罪も撲滅してみせる。そのためにはお前の力が必要なんだ」  信士は力強く真っ直ぐな瞳で言い切った。 「俺に力を貸して欲しい」  どこか飄々としていて掴みどころのない信士だが、この男は有言実行だ。やると決めたからにはやる。  その真っ直ぐさが眩しいとは思いつつ、昔から嫌いになれなかった。 「わかった」  こうして俺は桜花組若頭に返り咲き、桜龍は桜花組に吸収された。  気に入らなければ離れてもいいと言ったが、全員が桜花に入る決断をした。 「俺たちはどこまでも兄貴についていくって決めたんです。兄貴の行くところについて行きます」 「お前たち……」  元からいた組員たちには白い目で見られていると思っていたし、誰も俺が戻ってくることを望んでいないと思っていた。  しかし、 「若、お帰りなさいませ!! 待っていました!」 「組長が倒れ、どうしようかと……」 「若でなければ、桜花組はまとまらないんです!」 「なんで……」  俺はお前たちを捨てたんだぞ?  何もかも捨てて逃げ出したのに。
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