第二話 お飾りの妻

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「俺たちみんな、兄貴が拾ってくれたんす」 「拾って?」 「俺たちみたいな行き場のない荒くれ者を集めて、まとめて家族にしてくれました」 「兄貴の口癖なんすよ。桜花組というデカい家の中にいるもんはみんな家族だって」 「兄貴は本当に懐の深い方なんです」  千原さんも笹部さんも、心から和仁さんを尊敬して慕っているのが伝わった。  極道の世界のことはよくわからないけど、和仁さんを慕う舎弟たちはみんな明るく温かい。  もっと怖い世界だと思っていたけど、実際はみんな優しくてお話をするのが楽しい。  本当に極道って怖いのかしら?  私はこの家に嫁いできて数日、そう思うようになっていた。 * * *  ガーデニングは順調で、雑草がボウボウだった庭が花が咲き誇る華やかな庭へと生まれ変わる。  我ながら初めてにしては頑張ったんじゃないかと思う。  和仁さん、見てくれるかしら……?  その夜、帰宅した和仁さんが渡り廊下を歩いている時に気づいてくれた。 「……あの庭は、君が?」 「! ええ、そうなんです!」 「そうか」 「舎弟の皆さんも手伝ってくださったんです。みんな良い方ばかりですね」 「……」 「和仁さん?」
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