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「だから、私は私なりに和仁さんに愛を伝えます。ずっとずっと伝え続けます。そして、ずっと隣で支えますから」
美桜さんにできなくて、私にできること。
それはあなたと共に生きること。
「世界で一番愛しています、和仁さん」
出会ってからまだ日は浅いけれど、この先の未来はまだまだ長い。
十年後も二十年後も、五十年先だってあなたの隣にいたい。
過去は共有できないけど、この先に起きることは楽しいことも辛いこともあなたと共有していけたらいいなって思う。
「俺も君を愛してる……」
今度ははっきりと声が震えているのがわかった。
「ジェシカじゃなければ、ここまで惹かれていなかった。残りの人生全て懸けて君だけを愛すよ」
「……なんか、プロポーズみたいですね」
「もう結婚してるんだけどな」
「うふふっ、ほんとに私たちって順番が全部逆」
「巷では交際ゼロ日婚というらしい」
「確かに!」
和仁さんはクスクス笑う私を少し離し、そっと頬を撫でた。
私のことを優しく見つめる瞳は、ちょっぴり赤かった。
「父の言いなりになって良いことは何もないと思っていたが、君と結婚できたことだけは感謝だな」
「あっ!! お義父様!!」
ムードをぶち壊す自覚はあったけど、これは大事なことなので確認せずにはいられない。
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