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唇がふやけそうになるくらい貪られ、思考までとろとろにされた私は押し倒されていたことにも気づかなかった。
「ジェシカ……」
「っ、ぁ……っ」
この日が一番和仁さんを近くに感じた。
心も体も全てが一つになって、溶け合っていくような。
まるで欠けた何かを埋め合うように、何度も何度も抱き合って求め合う。
マムが過労で倒れた時、私は自分を責めた。
私のために必死で働くマムをもっと助けてあげられたんじゃないかと、無力な自分が嫌だった。
それから父に引き取られて以降はずっと邪魔者扱いされて、自分自身に価値を見出せなかったけれど。
全部あなたと出会うためだったと思ったら、今までの自分も肯定してあげられる気がする。
「和仁さん、大好き」
だから、あなたも自分を責めないで。
自分のせいだなんて思わないで。
私はあなたを全部肯定する。
あなたが許せないあなたのことまで全部愛して、これからもずっと傍にいる。
この先の未来はずっと、二人で歩んでいけますように――。
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