第十二話 紡がれる未来

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* * *  翌朝。少し気だるい朝を迎えた。  時計を見たら朝の九時。そろそろ起きなくてはと思っているけれど、腰が痛い。 「おはよう」 「!」  先に起きていたらしい和仁さんとバチっと目が合ってしまった。 「お、おはようございます……」  こうやって一緒に朝を迎えるのも何度目かわからないのに、ドキドキしてしまう。  顔が見られなくて布団を被ろうとする私に唇を寄せ、何度もキスする和仁さん。 「ん……っ」  この流れはダメだ。このままでは流される……!! 「そろそろ起きましょう!!」  私はガバッと起き上がった。 「今日は休みだしゆっくりすれば良い」 「ダメです! 和仁さんは私に甘すぎなんだからっ」 「……それは君もだと思うが」 「朝ごはん作ります〜!」 「この時間なら誰かがもう作ってるんじゃないか?」 「ううう……」  こんな風に甘えないように自分もちゃんとしたかったのに……。 「ジェシカ、今夜は予定あるか?」 「いえ、特には」 「二人でディナーでもするか。忙しくて何もできてなかったが……結婚記念日に」 「!! 結婚記念日!?」  そういえばそうだった!!  いつの間にかとっくに過ぎてたけど、もう結婚して一年経ってたのね!?  梅堂組のことでずっとバタバタしてたからすっかり忘れてたわ! 「わ、忘れてました……!」 「……まあ、それどころじゃなかったしな」 「ご、ごめんなさい……! 初めての結婚記念日だったのに」 「良いじゃないか。これから何回もやるんだから、これもいい思い出になる」  うう、私の旦那様優しすぎる……!  それに引き換え私はなんてダメな妻なのかしら。
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