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* * *
翌朝。少し気だるい朝を迎えた。
時計を見たら朝の九時。そろそろ起きなくてはと思っているけれど、腰が痛い。
「おはよう」
「!」
先に起きていたらしい和仁さんとバチっと目が合ってしまった。
「お、おはようございます……」
こうやって一緒に朝を迎えるのも何度目かわからないのに、ドキドキしてしまう。
顔が見られなくて布団を被ろうとする私に唇を寄せ、何度もキスする和仁さん。
「ん……っ」
この流れはダメだ。このままでは流される……!!
「そろそろ起きましょう!!」
私はガバッと起き上がった。
「今日は休みだしゆっくりすれば良い」
「ダメです! 和仁さんは私に甘すぎなんだからっ」
「……それは君もだと思うが」
「朝ごはん作ります〜!」
「この時間なら誰かがもう作ってるんじゃないか?」
「ううう……」
こんな風に甘えないように自分もちゃんとしたかったのに……。
「ジェシカ、今夜は予定あるか?」
「いえ、特には」
「二人でディナーでもするか。忙しくて何もできてなかったが……結婚記念日に」
「!! 結婚記念日!?」
そういえばそうだった!!
いつの間にかとっくに過ぎてたけど、もう結婚して一年経ってたのね!?
梅堂組のことでずっとバタバタしてたからすっかり忘れてたわ!
「わ、忘れてました……!」
「……まあ、それどころじゃなかったしな」
「ご、ごめんなさい……! 初めての結婚記念日だったのに」
「良いじゃないか。これから何回もやるんだから、これもいい思い出になる」
うう、私の旦那様優しすぎる……!
それに引き換え私はなんてダメな妻なのかしら。
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