第十二話 紡がれる未来

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「その前にどこか出かけようか。欲しいものはないのか?」 「欲しいもの……」  その時、ピンと思いついたものがあった。 「あの、今日じゃなくていいんですけど……ウェディングフォトが撮りたいです」 「ウェディングフォト?」 「私たち、結婚式はすごく形式的だったじゃないですか。改めて二人で撮りたいなぁって」 「……なるほど、ありだな」 「本当ですか!?」 「今度こそ君の晴れ姿を独占できる」 「……!」  意外にも和仁さんは乗り気になってくれて、その日のうちに写真を撮る日取りを決めた。  そんなに直近でできることじゃないと思っていたのだけれど。 「改めてウェディングフォト? 素敵じゃない! 私の知り合いに良いカメラマンがいるからお願いしてみましょう」  お義母様に話したら、知り合いのカメラマンを紹介してくださった。  話を聞けば、様々な芸能人の写真集を手掛けてきたプロのフォトグラファーでびっくり。お義母様の息子さんなら、と二つ返事で快諾してくださった。 「聞いたわよ、ジェシカ。ウェディングフォトを撮るそうね。ヘアメイクは私に任せて。ドレスも得意先に聞いてみるわ」  ヘアメイクやドレス関係は雅さんが協力してくださることになった。  美容系会社を経営する雅さんは、そっち方面のコネクションはたくさんあるのだそう。
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