第二話 お飾りの妻

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 和仁さんと一緒に食事をするようになり、多少なりコミュニケーションが増えたことで距離が縮まったように思う。  もちろん相変わらず和仁さんは口数は少ないけれど、私の話はいつも聞いてくれる。それが嬉しい。 「ただいま」 「お帰りなさい!」  こうやって出迎えられるだけでも幸せだ。 「今日はみんなで餃子を包んだんですよ!」 「餃子か」 「はい!和仁さんが好きだと伺ったので!」 「……あいつらそんなことを言ってるのか」  少々呆れている和仁さんはスーツを脱ぎ、シュルリとネクタイを緩める。  そんな仕草一つにまたときめいてしまう。  和仁さんのスーツを受け取りながら、うっとりしてしまう私。 「……」 「? どうかしましたか?」 「……君は本当に変わっているな」 「え?」  ボソッと呟かれた言葉は私の耳には届いていなかった。  とにかく私の結婚生活は想像以上に充実していた。  和仁さんは今日もカッコいいし、約束を守ってご飯はほぼ毎日一緒に食べてくれる。  政略結婚がこんなに充実してていいのかしら?
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