第二話 お飾りの妻

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 ある日ガーデニングをしている最中、お義母さまにこんな提案をされた。 「ジェシカさん、華道をやってみるつもりはない?」 「華道ですか?」  思い切り土まみれになっていて失礼に思ったけれど、お義母さまはとても穏やかで優しい方。  時折私に料理を教えてくださったり、家のことを教えてくださる。  気品に溢れながら慎ましやかで、だけど堂々としているお義母さまに密かに憧れている。  これぞ大和撫子とも言うべき凛とした姿がとても素敵だ。 「知り合いが華道の家元でね。習ってみたらいいんじゃないかしら」 「興味あります!日本の伝統的な生け花ですよね」 「そうよ。あなたなら素敵な生け花ができるわ」  お義母さまに言われてすっかりその気になった私は、早速紹介していただいた華道教室に通うことにした。  まず簡単に生け花の基礎を教えていただき、先生がお手本でその場で生けてくれた。  特に悩まずに花を選んでいたが、その出来上がった生け花はとても見事だった。  思わずその美しさに魅了されてしまう。  西洋とは違い、隙間や空間も美しさと捉える日本の生け花はとても奥が深い。  マムにも見せてあげたかった。  きっとマムも気に入ったに違いない。
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