第二話 お飾りの妻

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――えっ!?  私は驚いてガバッと飛び起きる。  目の前にはマムではなく、和仁さんの姿があった。 「かっ和仁さん!?どうして?」 「千原から君が熱を出して寝込んでいると聞いてな」  もしかして、わざわざ早く帰って来てくれたの……?  和仁さんはコツンと私の額に自分の額を寄せた。 「熱はまだ少しあるようだな」 「!?」 「……あ、すまない」  こ、こんなことされたらもっと熱が上がってしまう……!!  和仁さんはすぐに離れてしまったけど、私の心臓はずっとドクドクしている。和仁さんに聞こえてしまうんじゃないかという程うるさい。  和仁さんはコホン、と軽く咳払いした。ほんのり耳が赤く染まっているような気がした。 「食欲はあるか?」 「え?はい」 「おかゆを作った」 「え!?和仁さんが作ってくれたんですか?」 「ああ」  差し出されたのは、一人用のお鍋の中に入ったほかほかと温かくて美味しそうなおかゆ。  まだ出来立てほやほやで湯気が立っている。  これを和仁さんが私のために……? 「すまん、いらなかったか?」 「あ、いえ!ありがとうございます!いただきます!」  れんげで一口掬い、パクッと口の中に運ぶ。 「! おいしい!」 「よかった。舎弟が風邪をひくと作ってやるんだが、つい同じノリで作ってしまってな」 「そうなんですか!?」
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