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第三話 揺れる想い
華道教室で花を生けながら、ずっと悶々としてしまう。
この前のアレは何だったのだろう。そのことばかりぐるぐる考えてしまう。
考えては思い出し、赤面を繰り返すということをここ毎日行っていた。
わかってる、きっと深い意味はない。だけどあんなことされたら……どうしても気になってしまう。
和仁さんは優しいから、私に同情してくれただけだ。きっと幼い子どもをあやし、慰めるのと似たようなものなのだろう。
だけど、和仁さんは同情であんなことする人なのかしら。
答えの出ない問いを延々と繰り返している。
ふと通りすがった華道の先生が私の生けた花を見て、若干顔を引き攣らせた。
「あらジェシカさん……なかなか独創的ねぇ」
「え?」
言われて自分の手元を見ると、かなりメチャクチャに生けられた生け花が出来上がっていた。
「あれ!?やだ、ごめんなさい!」
「もしかして、何か悩んでる?」
「え?」
「枝の切り方とかなんだか悩んでいるように感じるわ」
「あ、そんな感じかもです……」
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