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私、葉桜ジェシカは父がよそで作った子どもだった。
アメリカ人の母は和食に魅せられて若い頃に来日し、父と出会って私を身ごもった。後に父が既婚者だったことを知り、父と別れて私を一人で育てながら母は必死に働いた。
無理が祟ったのか、過労で倒れた母は私が十四歳の時に亡くなった。残された私は、罪悪感からなのか父に引き取られることになった。
それから十年葉桜家にいるけど、未だに私の居場所はない。
本妻である義母は私を酷く嫌っているし、義妹の莉々果にも良く思われていない。
今回の結婚は義母と莉々果にとっては、願ってもないことだと思う。
厄介者の私を追い出せるのだから。
極道の家に身売りされたようなものだけれど、それでも私は自分を不幸だとは思っていなかった。
だって――、
「本物の極道なんて……ちょっと見てみたいわ!」
日本贔屓だった母の影響でサムライ、ニンジャといった日本文化が大好きだった。
特に最近は任侠もの映画にハマっていたので、正直興味を惹かれずにいられなかった。
どうせこの家にいても時間を浪費するだけだし、お金を貯めていずれは出て行こうと思っていた。
それが早まったのだと考えれば良い。
知らない人と結婚することになっても、今の生活を続けるよりかはよかった。
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