第四話 抑え切れない恋心 side.和仁

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 母に勧められて華道も習い始めた。  時々居間で母と共に花を生けている姿を見かける。  生け花のことはよくわからないが、とても楽しそうにやっているようだ。  何より母があんなに嬉しそうなのは初めて見た。  彼女の希望で食事を共にし、少しでもコミュニケーションを取るようになってわかったことがある。  ジェシカはいつも前向きだ。決して悲観せず、現状を受け入れてどう楽しむかをいつも考えている。  誰に対しても丁寧で優しく、極道という人種に対しても色眼鏡で人を見ない。  常に人として平等に接しようとする姿勢は、誰にでもできることではない。  書類上だけの妻だと思っていたのに、段々と彼女に興味を持ち始めていた。  そんな彼女が熱を出したと聞いた時は、本当はずっと気を張っていたのかもしれないと思った。  平気なフリをしてずっと気丈に振る舞っていたのかもしれない。無理をさせていたのかもしれないと思うと申し訳なく、おかゆを作った。  おかゆは舎弟たち(あいつら)が熱を出した時にも作ってやったことがあったし、病人を気遣うのは当然だ。  誰に言い訳してるのかわからないが、深い意味などないと自分に言い聞かせていた。  だけど――、
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