第四話 抑え切れない恋心 side.和仁

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「愛の形は恋愛だけではないと思います。舎弟の皆さんが和仁さんを慕うのも愛だと思いますし、和仁さんが家族だと言ってくれたのも愛でしょう?」  違う、家族だと言った言葉に深い意味はない。元々桜花組は皆が家族という信念なのだ。  書類上の妻でも同じ屋根の下で暮らしている以上は家族である、ただそれだけのことだ。  それなのに君はそんな風に受け取るのか。  たまらずにジェシカを抱きしめてしまった。  もう自分を誤魔化せないと思った。  俺はジェシカに惹かれている。  君のことが愛おしい。愛おしくてたまらない。  辛い目に遭っていた君のことを守りたい。 * * *  我ながらどうかしている。強引にジェシカの買い物について来たのも、彼女と一緒にいたかったから。  今更ながらジェシカのことがもっと知りたいと思った。  何となく似合うだろうと思って勧めたワンピースは、あまりにもかわいすぎて放心した。  中学生でもあるまいし、何をしているんだ俺は……。  もう誰かを好きになることなんてないと思っていた。  ジェシカと過ごす時間は心地良い。  彼女の持つ陽だまりみたいな温かさに触れていると、心が癒される。
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