第五話 通じ合う心

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 私、このまま死ぬのかな……?  嫌、怖い、死にたくない。  助けて、和仁さん――……!!  引き金が引いたら、もう終わりだ。  私は涙を溜めた目をぎゅっと瞑る。 「――ジェシカ!!」  ドアを押し破ってきたのは、息を切らした和仁さんだった。かなり急いで来てくれたのか、かなり汗をかいていて息が乱れている。 「和仁さ……っ」 「動くな」  男は私の首元に腕を回し、銃口を直接こめかみに押し当てる。  一瞬希望が見えたかに思えたけれど、すぐに打ち砕かれた。 「和仁さん……」 「……妻を離せ」  和仁さんは見たこともないドス黒いオーラを放ち、目は血走っていた。激しい怒りが全身から滲み出ている。  まるで獲物を捕らえようとする狼のようなオーラに、私も男も気圧される。  和仁さんは一歩一歩近づいていく。 「お、おい来るな!この女がどうなってもいいのかっ!」  男は完全に和仁さんのオーラに圧倒され、銃を持つ手が震えている。それでも私のこめかみにピッタリと銃口を押し付けてくる。  和仁さんはそんな脅しに怯みもせず、大股歩きでどんどん近づいてゆく。 「く、来るなって言ってるだろ!」  私はもうダメだと思ってしまった。思わず目を瞑る。  その直後、ドン!という鈍い音が響き渡る。  ハッとしてすぐに目を開けた。ほんの数秒の出来事のはずだった。  だけど男はその場に倒れ込み、地面には銃が転がり落ちている。  銃は和仁さんが素早く拾い上げ、銃口を犯人に向けた。
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