第七話 夫婦の形

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 なんて気楽に捉えていたのにいざ訪れてみたら――、 「え……、お城?」  到着した家は西洋風の立派なお屋敷。  高い塀に囲まれ、噴水まであるお庭が広がっている。  おとぎ話に登場するようなお屋敷が本当に存在するなんて。  しかも土足で入るという本格的な西洋のお屋敷だ。 「吉野様ご夫妻、お見えになりました」  そして私たちを出迎えてくれたのは、なんと大勢の執事やメイドさん。  まさか実在するなんて思っていなかったから、ポカンとしてしまう。 「す、すごい……まるでおとぎ話の世界ですね!」 「残念ながら現実だ」 「和仁、ジェシカさん!よく来てくれたね」 「おいでくださって嬉しいわ」  出迎えてくれた信士さんと蘭さんは、私服もとても上品だ。  信士さんが着ているセットアップはブランドに疎い私ですら知っているハイブランドだし、蘭さんが着ているシャツもタイトスカートも身に付けているアクセサリーもとてもセンスが良い。  本物のセレブってすごいわ……。 「さあ、どうぞ召し上がって。うちのシェフが腕によりをかけて作ったんですよ」 「改めて二人とも、結婚おめでとう」  広すぎるダイニングテーブルに並べられたのは、高級レストランで食べられるような料理の数々だった。  名前も食べ方もわからないような品が沢山。 「和食とフレンチを織り交ぜた料理なんですよ」 「わあ、すごい。いただきます」  和食だけど調理方法はフレンチの技法を使っているという創作料理は、新感覚で新しい味がした。  そしてとっても美味しい。
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