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プロローグ:幸せの方向はどっちだ
別に騙しているつもりなんてこれっぽっちもなかった。
身長166センチ、二十代半ばの成人女性としては少し高めの身長で顔立ちはハッキリ。
メイク映えのするタイプだと自覚しているからこそキツくなりすぎないようマスカラやアイラインはブラウンを好む。
ただ髪型は少し強めに巻くブームが自分の中できていたし、似合うと言う自負もあったからこそしっかりセットしていたせいで軽いと思われがちだということもわかっていた。
でも好きな自分を偽るなんて嫌だった……というのは負けん気の強さ故かもしれない。
――それでも、いつかそんな鎧の奥にある『私自身』を見つけてくれる王子様がいると思っていたし、やっと見つけたと思ったから。
だから、そんな彼からのプロポーズを受け、今日私の両親に紹介して――……
「騙しやがったな……!」
「……は?」
そして、まさに今。
婚約者になったはずの恋人である男から、罵られている真っ最中である。
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