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ある国にリーゼロッテというそれはそれは、美しいお姫様がおりました。けれど、彼女にはとんでもない欠点があったのです――
「お父様、新しいドレスが欲しいの。あと、新しいお化粧も。あ、あと新しいドレスに合わせたネックレスも欲しいわ」
砂糖のようにお甘い国王様は、なんと娘になんでもかんでも買い与えたのです。
そんな風にお姫様は周りからもうんと甘やかされて育てられたために我が儘なお姫様になってしまいました。
さて、そんなお姫様もやはり、国のため結婚をしなければなりません。
国王様は娘のために各国から王子達を集め、パーティを開きました。もちろん、お姫様の結婚相手を決めるためです。けれど、なんということでしょうか。お姫様は、婿候補達に向かってとんでもないことを口走ったのです。
一人目の婿候補は、丸々と肥えた方だったので
「樽のようだわ」
と嘲笑いました。
二人目の婿候補は、とても体の細い人だったので
「死に神みたい」
と、また嘲笑しました。そして、ある王子の姿を見て高らかに笑うと大きな声で
「まあ、あの人のヒゲはツグミみたい。つぐみのヒゲの王様ね」
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