第2話 旅人、マティアス

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 お姫様はマティアスに「何のための旅をしているの」と問いかけました。すると、予想外に「父親の病を治す薬を捜す旅をしている」と答えたのです。  お姫様は助けて貰ったのだし、少しぐらいは手伝おうと考えておりました。  そして、お姫様が「検討はついているの」と問いかければマティアスは地図を広げてある場所を指さしました。それを見てお姫様は、びっくり仰天。なんと、そこはお姫様が幼い頃から国王に近づいてはいけないと言われていた場所でございました。  マティアスは「知っているのか」とお姫様に詰め寄ります。けれど、お姫様は返事にためらいました。  とうとうマティアスの熱意に負けて国王に言われてきたことをマティアスに話します。けれど、マティアスはあきらめる気が無いのか立ち上がりました。  お姫様は「危ないわ」と言ってマティアスを行かせないようにするけれどマティアスが「“いのちの水”しか父上を助ける手立てが無いと言われた」と言ってお姫様が止めても行こうとします。  逢っても間もないというのにこんなに心配になっている自分に驚きながらお姫様は、「どうしても行くというのならわたしもいく」と言いました。
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