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ほうきを使って二人のようすをながめることにした私は今、上空にいる。
「うまくいくといいけれど」
ハラハラとしながら私は二人のようすをながめる。リオンがテントから出てくれば、グホンがあわてたようすでリオンにかけより、何やら声をかけた。
話の内容までは、わからないもののグホンは涙を流しながらなにかを訴えている。
耳当てを出して、二人の会話を盗み聞きすることにした。
『リオン、なぜもっとはやくこのことをいってくれなかったんだ! もっとはやく言ってくれれば』
『お前にいったら、傷つけると思って黙っていたんだ。気の弱いお前のことだ。落ち込んでふさぎ込むだろう』
『たしかに、そうなってたかもしれない。けど、なにも聞かされ無いままだった方が嫌だ』
グホンの言葉にリオンは、今までの表情をやわらげてほっと息を吐く。それから、『そうか』とつぶやいて『勝手な懸念だったか』と言ったかと思えばグホンと抱き合う。
どうやら、仲直り出来たようだ。
「よかった」
「まさか、“手紙”を使うとは思わなかったぞ」
私のとなりでミネが呟く。
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