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「ベル、この試験に合格できれば、お前は一人前だ」
魔法の国――ここ、シャルム王国の王城でこの国の王女であるベル。つまり、私はこの国の王様である父上から最後の試験を受けていた。
内容は別の世界へとおもむいて、その国の人々の心を浄化し、その心の欠片をあつめてガラス瓶に詰めるというもの。
「はい、父上。この国の王女として、必ずやこの試験に合格します!」
「……うむ。しかし……うう、こんなにも早く最終試験となろうとは……! ベル、さびしくなったらいつでも戻ってきて良いんだよ」
「ばかいうな」
泣き出さんばかりに言った父上を叱ったのは、となりにいる王妃つまり母上だった。
「試験の途中で国に戻ってきたりなんかしたら、その時点で試験終了だよ。ベルも、ちゃんとわかっているね?」
「ええ、もちろん、母上。それでは、行って参ります!」
私は二人に背を向けて、部屋をとびだした。そこには、すでに私の使い魔である黒い猫の姿をしたミネが待ち構えている。
「もう~、待ちくたびれたよ」
「ごめん、ごめん。お父さんの話が長くて……それじゃ、もう行こう!」
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