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「違う、違う。あなたの悩みを解決するためにやってきた、天の使者……かな?」
ミネが「何いってんだ、こいつ」みたいな顔をしているけど、この際は知らないふりをしておこう。この試験を受けている間、自分の素性を知られてはいけないのだ。
「天の使者ですか。それなら、話してもいいか……ボク、グホンっていいます。サーカスをしているのですが、そのサーカスの団長がサーカスをやめるといいはじめて……どうしてなのか、教えてくれなくて……」
「わかりました、私が聞いてきます!」
思わず駆け出しそうになったが、思えば場所が分からない。
「ねえ、グホンさん。サーカスってどこにあるの?」
☆
「部外者が知る必要は無い」
ライオンのぬいぐるみ……もとい、サーカス団の団長であるリオンにばっさりとそう告げられた。
「なんで、ですか!」
リオンは怒る私に背を向けて、さっさとサーカスのテントへと戻ってしまう。
「ごめんね、グホンさん。役に立てなくて」
「ううん、こちらこそ、わざわざ来ていただいたのにすみません。やはり、サーカスはやめてしまうんでしょうか」
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