2人が本棚に入れています
本棚に追加
しゅんと肩を落とすグホンを気にするようす無くミネはリオンの方をじっと眺めていた。
夜になり、宿を取ることも出来ないので(建物がすべて小さいので)指輪に口づけを落とし、人里離れた場所で家を出し、そこに住むことにした。
「ねえ、ミネは何を気にしていたの?」
「ああ、あの団長とかいう男……なにか、隠してる」
「やっぱり! あの恐そうな見た目だもの、きっと悪いことをたくさんしてきてるに決まっているわ!」
「どうして、そうなるんだよ!」
「違うの?」
ミネは後ろ足だけで立って右の前足で私をビッとさした。
「おまえは、何のためにここへ来た?」
「はい! 人々の心を浄化し、心の中にある迷宮の庭園――カタルシスに眠っている感情を目覚めさせて、あふれる感情の欠片をあつめることです」
「なら、もっと人を見る目を養え!」
「ミネのくせに偉そう……」
「僕は偉そうでいいんだよ。そもそも、僕はベル自身に呼び出された使い魔じゃ無くて、王様がベルを守るために呼び出した使い魔だし」
「むむう……本当のことだから、言い返せない」
最初のコメントを投稿しよう!