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 ある小さな村に赤いずきんのよく似合う女の子がいました。その女の子は、まわりから「赤ずきん」と呼ばれています。  そんな赤ずきんは、ある日。 「赤ずきん、これを持っておばあさんにお見舞いに行ってきなさい。きっと、赤ずきんの顔を見たいだろうから。」と母さんに言われた赤ずきんは素直に手渡されたバスケットを手に取りました。 「いい?赤ずきん。寄り道もせずにまっすぐに向かうのですよ?」 「わかっていますよ、お母さん」  そう答えると赤ずきんは、黒い森の中へと入っていきました。  しばらく夜のように暗い森の中を歩いていると、分かれ道がありました。そこには、ある古びた看板が立っていました。それを赤ずきんは、のぞき込みます。 『片方の道は、崖へと続いています。  おまえの  おみあげは  かぎにする人を  みた  ※またの間の方へ向かってください。』  看板には、そう書かれていました。赤ずきんは、頭をひねります。すると、ふとパアアとほほえみを浮かべました。そして、別れ道の右へと向かいました。
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