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伸びてる?
違和感の正体を突き止めるべく、新しいフォルダに気になった画像を移して、改めて見比べる。
「タマ……。尻尾、伸びてない?」
寝相アートの撮影には、たいてい同じマットを使い同じ画角に収めていたため、比較しやすかった。
瑞志が生まれた時に比べたら、10センチほどは長くなっていると推測できた。
実際に、寝ているタマの尻尾にそっと触れてみて、朋代は確信する。
「やっぱり長くなってる──!?」
昔はタマが尻尾を体に巻くと、腹に付く程度だったのが、今では顎の下まで届いている。
人間老いると背が縮むと言うし、猫も体長が縮んだせいで尻尾が長く見えるのか……と冷静になろうとしたが、一度違和感を抱いてしまったら、絶対に伸びているとしか思えなかった。
「どうして今まで気付かなかったんだろう! ねぇ、タマ。タマ様? あなた、もしかして本当の本当に、猫又になる気なの?」
「そんなバカにゃー」
風呂上がりの大志には馬鹿にされ、タマには迷惑そうに尻尾で叩かれてしまったが、朋代は少しわくわくしながら眠りについた。
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