第二章

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 お昼休みになった。 いつものごとく私は一人。 気軽に喋る友達という存在もいなければ、話しかけてくる邪魔なクラスメートもいない。  人は私のような人間を陰キャだの、空気が読めないだの、散々言うけれど。 それでも構わない。 ___それで傷つけるなんてまっぴらごめんだ。 登校中にコンビニで買った菓子パンとケータイを持つと蒸し暑い廊下を歩いていく。 「・・・あ、あの子だよ。血も涙も無いって噂の美少女。」 「え・・・私同じクラスなんだけど・・・。最悪。」 「あの子親がダブル不倫の末どっちも交際相手といっしょに心中したんだって。」 「え、じゃああいついま一人ぼっち?じゃあ施設かよ。」 「いや、そうでもないみたい。親が社長で遺産と生命保険で生きてるんだって。」 「やっぱ金持ちってチゲえわ。」 私を見ながらコソコソとあることない事話のネタにする人たちを睨みつけてから屋上階段に登る。
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