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剣と剣を合わせながら会話をしているが、凄まじい剣圧を放っているので周りの者達は修練場が壊れやしないかと緊張感を持って見守っていた。
「はいはい、その辺で終わりにしてお茶にしよう」
その緊張をいとも簡単に解いてしまうひと声を放ったのは、アイスブルーの瞳に同じ色のゆったりとした髪をなびかせた美しい男性だった。
「アルフレッド……せっかくいいところなのに止めてくれるなよ」
「そうですわ。お兄様との手合わせが私の楽しみでもありますのに、水を差さないでください」
二人とも心底迷惑そうに声の主に答える。
「カレフスキー公爵閣下、あのお2人を止めてくださってありがとうございます。我々では間に入る事など到底出来ずにただ見ているだけしか出来ませんので……」
「レンドン副隊長も大変だね、あんな兄妹が部隊の隊長に君臨していたら誰も止められないだろうに」
「察していただき、言葉もありません」
「……という訳で2人とも、そろそろ終わりにして休憩にしようではないか」
「「……………………」」
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