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レンドン副隊長の気持ちも分からないわけではないけど、せっかく今日はお兄様がお休みで朝から稽古をつけてくれると言ってくれたのに。
そう思うと私はなかなか納得できずに剣を離す事が出来ずにいた。
すると業を煮やした閣下が修練場に足早にやってきて、私の両脇を抱えてお兄様から引き離し、そのまま修練場の剣置き場へと連れて行かれるのだった。
「な、何をするのです!一人で歩けますので下ろしてくださいっ」
「目を離すとまた剣を握り始めるのだろう?さあ、剣を置いて……」
そうしないと下ろさないと言わんばかりに両脇を抱えられているので「分かりました」と言うと、ようやく下ろしてもらえた。
「お前も過保護だなぁ。いくら俺の妹だからってそこまでする必要はないんだぞ」
「リヒャルト、シャルルは女性なのだから、もう少し丁寧に扱わないと……」
「私にそのような気遣いは無用です。オーランドルフ騎士団の隊長たるもの、そのように扱われるのは――――っぐ」
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