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私が騎士たる者はと語り始めると、カレフスキー公爵閣下は私の頭の上に自身の顎を乗せ、思い切り体重をかけてくるので話が止まってしまう。
これでは頭が下がってきて話せないわ。分かっていてやっているのね……
「閣下…………重いのですがっ」
「ふふっこの程度で重いと言っているようでは、まだまだだね」
挑発とも取れる言葉をかけられ、思わず対抗意識を燃やしてしまった私は、閣下の重さにどこまで耐えられるかという実にくだらない勝負を受けてしまったのだった。
「それにしても…………修練後のいい匂いがする……」
頭上から気味の悪い言葉が聞こえてくるけど、これはいつもの事で、この公爵閣下は人の匂いが好きな匂いフェチなところがあるのだ。
私が初めてカレフスキー公爵閣下と言葉を交わした時、成り行きで使っていたタオルを貸したところ、とてもいい匂いがすると感激していたのだった。
それ以来私の匂いがとても好きだと言い出し、何かにつけて距離が近い。
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