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 いつもは凛とした姿勢であまり表情が崩れない綺麗なこの顔を私のキスでぐちゃぐちゃに崩して、鍛えられた彼女の肉体を私の手でベッドに縫い付けて動けないようにしながら、快楽でグズグズにしたらどんなに――――――  そこまで妄想して我に返る。  そしてリヒャルトに「他人と距離感が近い」と指摘され、私の気持ちはだだ洩れしているのだなと感じ、もう自分の気持ちを隠しておく事は不可能だと考えた私は、その日のうちにリヒャルトとオーランドルフ辺境伯と夫人にシャルルとの婚約を直談判したのだった。  どんな事をしても彼女を手に入れたい。  まずは彼女の家族から根回しをして、ご両親の了承を得ているとなればシャルルも少しはほだされてくれるのでは……と考えた。    私の熱意が伝わったのか、皆了承してくれたのでホッと胸をなでおろす。  夫人はもう結婚できないのではと思っていたようで、涙ながらに喜んでくれた。  しかしシャルルには私自身から申し込む事、彼女の了承を得る事が絶対条件であるとオーランドルフ辺境伯に釘をさされたのだった。  
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