1.シャルロッテSide※

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 このお方はお兄様と同い年の親友であり、彼が23歳で閣下のお父上が亡くなって公爵位を継いでから、この辺境伯領の我が城によくやって来るようになった。  若くして爵位を継いだので何かと大変な事も多いようで、色々とお父様やお兄様と仕事の話をしたり、我が家が相談に乗る事も多々あるようだ。  時にはお兄様と手合わせをしている姿を見る事もあるのだけど、閣下の見た目だけは本当に美しいから流れる汗にまで城の侍女達がうっとりしているのを見た事がある。  あんなに澄ました顔をしている人物が、実は匂いフェチな事を彼女達は知っているのかしら。  彼を見る侍女達の表情が恍惚としていて、きっと知っても構わないくらいの勢いだなと呆れたのを覚えている。    そんな中で本当に我が城に頻繁に来るものだから私とも自然と話すようになったのだ。  かれこれ3年ほどの付き合いともなると距離が近くなるのは必然なのだけど、修練後にスキンシップをしながら私の匂いを堪能する姿はもはやペットや何かと勘違いされているような感じもするし、女性とは思われていないのだろうなと感じるほどに近くて…………
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