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「君が私を置いて遠征に行くと言ったのを聞いて、正攻法ではダメなんだと悟ったよ」
「なっ……それにどうしてその話をアルフレッド様が知っているのです?」
「それはね、私が君を愛していて、君のお父上やリヒャルトに色々と相談をしていたからだよ。オーランドルフ辺境伯から遠征の話を聞いた時、私がどんな気持ちだったか……君に分かるかい?」
「そ、それは……」
「シャルル、私をこんな気持ちにさせるのは君だけなんだ。他の男と踊っているのを見て、その男を排除しなかった自分を褒めてあげたいね……自分の中にこんなに激しい気持ちがあるなんて思わなかったよ。君の指一本、髪の毛一筋すら他の男が触れるのは許せない」
全て正直な気持ちだった。
シャルルが遠征に行きたいと申請してきたと聞いて、人生で味わった事のないくらいの衝撃を受けてしまう。
それでも辺境伯は祝賀パーティーの後に話をしようと保留にしてくれたので、とにかくパーティーで彼女にプロポーズしなければと考えていたのに、シャルルと最初に踊ったのが自分ではなかったのだから、心中穏やかではいられなかった。
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